2013年10月07日

農業革命を通じて農協を潰すべし - 吉田不二夫

 戦後の食糧難時代に農業の高度化を目的として設立された農協は、すでにその役割を終えて歴史的遺物と化し、むしろ弊害が大きくなっているが、農家、自治体、議員、官僚等を囲い込んで、組織としての利権を欲しいままにし、ヌエ的存在となっていることは、周知の事実である。

 安倍政権は、第三の矢の規制改革の一環として、農協を中心とする農協ムラを潰すべきである。農協は、安倍政権も認めているように強力な岩盤であり、そのためには、農業政策、産業政策の一大改革から取り掛かる必要がある。

 周知のように日本では、生産性の低い軽工業、紡績、製紙業等々は、経済の成熟とともに経済的必然から淘汰されて来た。コメ産業は、国内の他産業に比して、当然淘汰されて然るべく、極めて生産性が低いが、主食の安全確保という国民的感情もあり、農協ムラの抵抗もあって、800%になんなんとする高関税率に守られて温存されて来た。

 しかし、経済成長のためには、コメ産業を他産業と同じく淘汰すべきである。コメ産業を一人前の産業としての位置づけから外すべきである。そのために、農地法等農業を支えて来た制度、法制等をすべて廃止する。一方、各種保護、補償ががなければ生業としては成り立たなくなっている小規模、中規模農業者に対しては離農を促進する施策を断行し、これによって従来の農協依存型農家による農業生産を終焉する。

 食の安全保障に関しては、以下の施策を講ずる。

 先ず、大規模のコメ生産を目指す企業の参入を促進し、これらにコメの安全保障の役割を担わす。いかに大規模化しても、特大の規模を持つアメリカ、人件費の安い東南アジアの国々と比較すれば、わが国のコメの低生産性はぬぐう術もないので、何らかの補償を行わねば、新たな大規模農家の参入は望み難い。そこで、政府はこれらの企業と売買契約を締結し、輸入米との差異を補償する。その費用はコメの安全保障費として計上し、これに当てる。

 コメの安全保障ラインは、最近の消費動向から推して、年間400万トンと設定する。

 これらの政策によって、低生産性のコメ農家に対する赤字補填費用(年間約1兆円)を安全保障費に転用することで国家の経費は半減し、さらに、従来の補償費等が、低生産性農家、ひいては農協に流れていた現況に対して、安全保障費用は約1/4以下の価格のコメを提供するという形で消費者に還元される。
 
 上述したように、農協を真正面から崩すのは難しい。かって「資本家は労働階級からの搾取者」との理念から、経営側と対立の構図にあった「国労」、「動労」、「全電通」等の組合は、国鉄、電電公社を民営化することによって、その下部に相当する組合組織を弱体化させ、経営側と同一理念の組織に変えた。

 農協を潰すには、上記の場合とは逆になるが、農業政策、産業政策、安全保障政策等の抜本的転換により、下部組織を農協「ムラ」から離脱させ、その上部組織に相当する農協を潰すのが妥当なやり方であると考える。


(本稿は「農業革命を通じて農協を潰すべし」と題する吉田不二夫氏の論稿の要旨である。論稿の全文は追ってJTTAホームページの「特別レポート」頁に掲載する予定である。)


posted by jtta at 06:24| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年09月06日

アベノミクスの検証、消費税増税をめぐる論点整理のためのノート - 松井幹雄



今日は、経済学者松井幹雄氏ご執筆の標題論稿を投稿させて頂いた。以下は、松井氏論稿の記載項目のみ示したものである。論稿の全文は、下のURLにアクセスすればご覧頂けますので、ご一読願えれば幸いです。


1)消費税増税の是非に関する議論
① 「首相は臆せず断行を」Financial Times社説(7月31日付)
②「『来春の8%』は見送るべきだ―デフレからの脱却を最優先に」読売新聞社説(8月31日付)
② 「消費増税の判断が遅れる影響は大きい」日本経済新聞社説(9月2日付)
2)消費税増税に関する論点
①「First things first」の鉄則を守る
②「問題を解決すること」と「チャンスを捉え結果を出すこと」の峻別
③歴史の教訓を生かすリーダーの決断


上記論稿(項目のみ)の全文(全5頁)は、下のURLにアクセスしてご覧下さい。
http://www.npo-jtta.jp/information/information1309.pdf
posted by jtta at 14:40| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年08月28日

消費増税、高橋是清だったらどう考えるのか - 松井幹雄

 現在進行中の消費税引き上げ問題、賛否両論を興味深く拝聴しながら、「高橋是清だったらどう考えるのか」と、自問自答しています。
 
 今から80年前、消費税ではなく、金解禁を巡って、高橋と井上が鋭く対立しました。そして、歴史の審判は高橋に下りました。当時の正統派経済理論や国際的な合意、信任を重視する井上に対し、日本を第一義的に考え、民間投資を促進させることを最優先させる、これが高橋の変わらぬスタンスでした(=高橋是清の13の原則、以下その一部を抜粋)。

 「経済発展の目的は単に国家の財政基盤を強化することだけでなく、国民の生活水準を向上させることである(一三の原則の第二)。」「国の富みと国民所得を引き上げる最もよい方法は、企業が労働者の生産性を向上させ、その利益を労働者と分かち合うように促すことである(同第三)。」

 高橋なら、「長期デフレからの回復、これを何よりも優先する、覚悟をもって実行する。」つまり、消費税増税に拘りすぎるのはよくない、日本経済の現状をどう診断するかがポイントであり、増税は遅らせても構わない。これが高橋流ではないかと、愚見を申し陳べる次第です。
posted by jtta at 13:14| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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